取り下げ案件の再申請で帰化申請の書類打ち合わせに7時間

 今日、と言うには日付はとうに変わってしまいましたが、本日は夕方から帰化申請の提出書類の説明や申請書類の書き方のレクチャーをずっとしていました。

 午後4時半から始めて夜の11時半まで話し込んでしまいました。
 なんと、7時間。
 92才のお父さんの帰化申請で朝10時から晩の9時まで長い履歴をお聞きしたり、10時間を越える打ち合わせをしたことが数回ありますが、それらに迫るような長さです。

 平素は帰化申請書類の打ち合わせは2時間から3時間ほどで終わるので「丁度ちょいと一杯タイムに終わるのに、今日は月曜でナイターが無いたぁ困ったもんだ」などと、どうしようもない親父ギャグを事務所に戻る地下鉄の中で思い付いてニヤケていたのですが、見事に目論見は外れてしまいました。

 長引いた理由は、ひとつ。

 数年前に素行条件上、帰化申請の取り下げを余儀なくされた方の再申請、いわゆる「帰化のリカバリー申請」だったからです。おまけにサラリーマンでなく、事業家です。それも世界を飛び回って来られた方。

 リカバリー申請では、前回の帰化申請の際に提出した内容をひとつずつ確認していかなければなりません。
 なにせ、法務局には前の申請書類が残っているのです。

 かといって、申請支援センターの基準で書くべき事書く必要のない事を取捨選択していきますので、前回の帰化申請書と今度の帰化申請書の違いを明確に把握しておく必要があります。

 ところが、前回の申請書は、例えば履歴書ひとつ取ってみても、法務省の指導内容と全然違う書き方であり、また、現実の内容とかけ離れた部分も散見できます。
 このようなときに、アカン人なら前の申請に合わそう合わそうとして、嘘の上塗りになってしまうのですが、やはり正しい事を書かねばなりません。
 しかし、正しい事を書くと「何で前と違うねん」と法務局から突っ込みが入ります。

 そこを論理的に乗り切らねばならないのが、リカバリー申請の難しいところです。

 前回の取り下げとなった帰化申請は私も良く知っている入管申請のベテランの有名な先生なのですが、ちょっとエエ加減に申請書類が書かれていて、この人もしかしたらヤブやったんかと驚きました。本人に聞くと夫経由でちょこっと聴取されただけだったそうです。

 リカバリーの際には以前の申請が、腕の良し悪しは別として、真面目に書類が作られている方がやり易いです。少なくとも、前の時に虚偽の書類を作成する意思が本人にあったんじゃないかと詮議される心配は減ります。

 でも、前回の書類がエエ加減に書かれていたら、いかに行政書士が手伝ってくれた書類だったとしても、結局は「申請者本人がエエ加減」だったことになるのです。エエ加減さが度を越すと、虚偽申請ということにもなりかねません。

 この案件の前回は「度は越していない」と私は評価しているのですが、もうちょっと正確だったら今度の労力が減るのですが…。