子供の出産に帰化申請が間に合わない場合には国籍選択の宣言の問題が発生する

 今日は5月5日の子供の日ということもあり子供に関する帰化申請の話題をひとつ。

 申請支援センターが得意とする帰化申請のひとつに「妻、内妻あるいは婚約者の女性が妊娠中の国際結婚カップルの帰化申請」があります。
 妊娠している女性自身が外国籍のケースも、相手となる男性が外国籍である場合もあります。

 妊娠している国際結婚カップルの場合、何が問題になるのかというと、帰化申請が子供の出産に間に合わないと、生まれて来る子供はニ重国籍になるということです。

 二重国籍となっても(現行法では)父母のいずれかが日本国籍を有していれば生まれて来る子供も日本国籍は持っている訳ですから帰化申請の必要がないからいいじゃんてなものですが、実際はそのような生やさしいものではありません。

 それは二重国籍者には国籍選択の宣言の問題があるからです。
 日本と外国の複数国籍を持つ人は22歳までに国籍選択の宣言を行い、成人後死ぬまでの人生を日本人として生きて行くのか外国人として暮らしていくのかを決定しなければなりません。

 15歳の誕生日を迎えるまでは法定代理人がするので、国際結婚のカップルが子供の出生届を市役所や区役所に持って行くと職員から優しい顔で「15歳までであればご両親が代わりに申請してあげれるんですよ。出生届と一緒にしておきませんか?」と言われます。

 しかし、国籍の選択の宣言は、一度、戸籍に記載されると、死ぬまで消えない。

 例えば、帰化事項は転籍時等に「移記」されないので、本籍地を移動させたり、結婚して他の戸籍に入ったりしたときには、新しい戸籍の自分の身分欄には記載されません。

 一方で、この国籍選択の宣言は、移記事項なので、一生着いて来ます。
 転籍をしても付いてくる。
 結婚で新戸籍に入籍しても書かれます。

 しかし、帰化申請の許可が子供の出生に間に合わなければ子供は二重国籍になり、日本の法律上、22歳までに国籍選択の宣言をしなければなりません。
 じゃあ、いったいどうするか。
 また、国籍選択については相手国がどこであるかも重要な問題です。

 もちろん、出産に帰化許可を間に合わせるのがベストですが、間に合わない場合も良くあります。
 その時の、解決策をちゃんと持っていて対応してくれる行政書士を選ぶのが吉でしょう。
 逆に、そのような解決策を持たずに帰化申請を受任しちゃいけません。
 まあ、ビックリするぐらい多いですよ、わからないまま仕事をしている人が。