鍼灸マッサージ師や柔道整復師の帰化申請と偽装請負の問題

 勤務鍼灸師さんや勤務柔道整復師さん、あるいはマッサージ店の補助者などをされている方の帰化申請をお手伝いさせていただく事が結構頻繁にあります。

 これらの方の帰化申請でまず考えなければならないのは、勤務する鍼灸院や整骨院などと個人との契約が、ちゃんとした雇用契約となっているかどうかということです。

 帰化申請をされる本人の感覚としては、ほとんどの方が「雇用されている」と感じているのですが、実際には、個人事業主として請負契約で働いていることになっているからです。

 帰化申請では「ことになっている」も何も、店との関係が請負契約なのであれば個人事業主としての義務を全て果たさなければなりません。

 確定申告者であっても実質的に給与明細という形式のものをもらわれている場合には、給与所得者としての帰化申請を進めていけば良いので、その明細で許してもらえることも多いのですが、法務局から事業概要を求められることもしばしばあるのです。
 所得税の納税証明書等については、事業概要を書く書かないにかかわらず提出すべきものですから考える必要はないのですが、実質的に雇用されている人に事業概要を提出させるのはどうかなあと感じます。

 ただ、これは法務局が悪いのではなく、悪いのは偽装請負の鍼灸院・整骨院です。
 マッサージ関係の方の申請では本当に多いので、これはメスが入らないのがおかしいくらいの業界の状況なのだろうなと思います。

 なのに、帰化申請者個人の責任となるのです。

 ただし、だからといって税金の申告をしていないのは、問題外。
 請負であるとか、源泉徴収されていないなどといったことは、何の言い訳にもなりません。
 間違いなく個人が悪いです。
 社会人としての意識が無いだけなのです。