帰化申請で人生の明暗

 昨年秋に帰化申請が許可になった依頼者の方が、先週、年末のご挨拶にお越しになられました。

 非常に優秀で真面目な方で、帰化申請が許可になった直後に念願の難関資格に合格され、前途洋洋たる人生の幕開けをお手伝いできたことを慶んでおりました。

 わさわざお越しになられたのは、この方が今年の年明けにご紹介したいとおっしゃっていた方が結局、他の事務所で申請をされたことのお詫びということでした。私自身、とうの昔に忘れていた話ですのに律義すぎますよ、と笑っておりました。

 ただ、その方がおっしゃるには、今になって、非常に残念な結果となったということです。

 許可になるにはなったのですが、当初予定していた結婚に間に合わすことができなくて、帰化申請を行政書士に依頼した意味がなかったんじゃないか、とおっしゃられるのです。

 もともと、この、申請支援センターから許可になったこの人自身が、申請支援センターからの申請が「早い」という話を聞かれ、紹介でお越しになられた方で、ご本人も審査期間も早かったことはもとより、受付までの期間が早かったので、紹介元の方も、自分も早々に帰化許可となり、心おきなく資格試験に向かうことができた経緯がありました。

 自分たちが数珠つなぎの早い許可だったので、結婚までになんとしても帰化が許可になりたい、という希望を持っていた友人を紹介するつもりでいたんだそうです。

 しかし、その友人はほんの少し安かったので、インターネットで調べた行政書士に依頼をして、受付も審査も遅々となり、結局は結婚に間に合わなかったと嘆いていたそうです。

 詳しくは聞かなかったのですが、そのような手際から察するに、できあがってくる日本の戸籍の事を慎重に計画立てて考えてくれる事務所だったのだろうかとか(二重国籍になりますから!)、子供の出生はどうだったのだろうだとか、うちの依頼者でないにも関わらず、少し心配してしまいました。

 とくに「結婚」を機に帰化申請をする場合には、非常に多岐にわたる注意をしておかなければなりません。
 インターネットで「専門家のふり」をしているだけの事務所も多いです。帰化が許可になったらよいという程度の仕事をしている方がなんと多いことか!

 せっかく帰化が許可になっても、手離しでよろこんでいられない、人生の幕開けとなってしまうこともあるのです。
 同じように帰化になっても、その後の人生にはっきりと明暗が分かれたのかも知れません。

 

参考リンク:
帰化許可不許可

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」