帰化申請に添付する台湾戸籍の交付請求が厳格になりました

 平成28年の今年は、帰化申請に関する外国官庁手続きが色々変化する年です。
 5月の中国国籍離脱手続きの変更、7月の韓国家族関係登録簿請求権者の縮小に続いて、台湾(中華民國)国籍の方の台湾戸籍の取得について取り扱いが厳しくなりました。

 台湾の戸籍については現在自宅パソコンでも取寄せられる世の中になりましたが、帰化申請に使用する分については今も直接台湾の戸政事務所に請求することを求められています。現在の台湾の制度では3ヶ月しか真性担保できないので帰化申請のように準備にも審査にも時間がかかる申請においては結局申請者に何度も取り直しを求めざるを得ない結果となり、むしろ面倒でも本国の戸政事務所の印のある謄本の方が申請者自身にとって手間が減ることになるからです。

 今朝、帰化申請の準備を進めている方と肥後橋の台北経済文化弁事処に本国戸籍請求のための認証に出掛けてきました。
 非常にこみ入った裁判案件でもう2年越しの帰化申請となりますが、ご本人も私もへこたれずに根気強く頑張ってきたので、ようやく受付のゴールが見えて来ました。そこで、手元にあるのが、さすがに2年前に取得した戸籍なので本国書類の再取得を想定して、弁事処では過去と同じ書類の認証だけを請求して、待ち時間の間に近くの喫茶店で本人と帰化申請の最終打ち合わせを行い再度交付を受けに戻った時の事です。

 認証を受け付けて下さった職員さんではないのですが、顔見知りの最もベテランの職員さんが私の顔を見かけて声を掛けて呼んでくれました。
 「何ですか」と話を聞いてみると、最近本国から通達が送られてきて、戸籍請求の添付書類が厳格になったと教えてくれて、今日請求した書類以外にも認証を得ておいた方が良い書類があるとおっしゃるのです。

 ただ、この帰化申請者の方に限っては、その書類の認証を受けていると3週間程のロスタイムが発生することと、ロスタイムだけなら急がば廻れと考えられないこともないのですが、また別の「作戦」もあったので、本人と話し合って、今回は顔見知りの職員さんのご忠告を遠慮することにしました。

 でも、ちょうど明日の相談会に新規の台湾籍の方が見えられるようですから、帰化条件を満たされていて受任いたしました際には、この情報を生かして帰化申請をスムーズに進めることができそうです。
 Sさんありがとうございました!