申請支援センターへは、高齢者の方の帰化申請のご依頼もよくあります。
主に、子供さん(といっても中高年の世代でいらっしゃるわけですが)から最初のご連絡をいただき、帰化申請の初回相談はご一緒に見えられることが多いです。
すでに子供さん自身は帰化されておられて日本人として暮らされていることも多く、高齢者の方の帰化申請が一般の申請よりも非常に大変であることをよくご存じなので、親の帰化申請は専門家に頼みたい、とおっしゃられるのです。
子供さんの立場から連絡をいただく理由で一番多いのは、自分は帰化できたものの父母欄に韓国名が入っているので、親にも帰化してもらって、父母欄の更正を考えているというものです。
父母の一方がすでに他界されておられる場合も多く、その時には(すでに亡くなっておられるので)帰化申請を行わずに父母欄の氏名を変更することができないかを、ASC申請支援センターのノウハウをもって検討していくことになります。
ただ、ご依頼の始まりは子供さんからのご紹介となりますが、帰化申請をするのはあくまで高齢者ご本人です。
とくに90才を越えられる方に「履歴書の下書きをして下さい」などとお願いしてもおひとりの力では思い出しようがなくて当然です。
本人に押し付けたり、子供に代理で書いてもらったりされる事務所もあることとお聞きしていますが、そのような事は言語道断です。
100年近い人生の流れを思いだしていただき、またそれが「真実」と変わり無いよう聴取をしていくことも全て「技術」です。
単に、「お年寄りと話が合う性格」であったり、「おじいさん、おばあさんと話をするのが好きなタイプ」であることは、聴取の「技術」ではありません。
高齢者の方の、忘却してしまいやすい事柄が何であるか、どのように話をすれば正確に思い出していただけるのか、といった傾向を分析し、方法を確立していく作業が必要となります。それは正確に思い出していただけなかった数多くの失敗に基づいて、経験の中でしか熟成できない技術です。
そして、正確に思い出してもらう一方で、その作業の中、申請する高齢者の方本人が傷ついたり辛い思いをしないよう思い図る技術も必要となります。
高齢者の方は、ひとつまちがえば、帰化申請自体、投げ出してしまいたい気持ちになられることもよくあります。
さらに、法環境が現在と違う時代の生活や書類など、一般の方の申請とボリューム的にも内容的にも全くかけ離れた内容であることも多いです。また、もちろん、「高齢である」というだけでは帰化条件に合わない事は決してないのではありますが、高齢であることから派生した本人の状況、周囲の環境、生活の内容等が、帰化申請条件に影響を与えることもしばしばあり、同じように申請を進めていくのは危険です。
いずれにしても、高齢者の方の帰化申請は、中高年までの方の帰化申請に比べて、
時間と費用を掛けながら神経をすり減らして進めていかなければならないので、私たちも大変なのです。
提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」