自己申請で不許可になった方の帰化申請が今日許可になりました

 帰化申請がいちど不許可になった方の再申請を引き受けることを、申請支援センターではリカバリー申請と呼んでいます。他の行政書士事務所でも、そのように呼んでいるところはあるようです。

 ところで今日(日付が変わったので正確には12月22日)、初夏に東京法務局で申請した中国人の方の帰化申請において官報告示がなされ無事に帰化が許可となりましたが、この申請がリカバリー申請でした。

 リカバリー申請には過去に自分で帰化申請した方のリカバリーと他の行政書士事務所に依頼したが不許可となった帰化案件のリカバリーがあり、どちらであっても周到な嘘を用意して上手くやろうとして失敗しているほどリカバリーが大変になります。

 今回の案件は、前回自分でチャレンジしたが不許可(取り下げでなく不許可!)となられた案件で、2年ほど前に不許可になられる前から相談されていて、最初から僕が明確にダメだと言っているのに、法務局に受付けられて面接も済み法務省に送られてから、私が申し上げていた通りのストーリーで結局不許可になられたのでした。不許可の際にも相談をして来られ、「不許可から最短で、再申請したい」と願われて、申請支援センターを選ばれました。

 前回の不許可の際にざっくりとお聞きした内容では明白な不許可条件があったので、どちらかと言えば良く受付されたものだなあというほどの状況でしたが、総じて真面目で感じの良い方だったので、前回の不許可事由がクリアされる時期をアドバイスして差し上げ「その時が来たら、あらためて相談にお越しください」と申し上げていたら、新幹線に乗って大阪までお越しになられて受任しました。

 もちろん、近所の東京でも幾つも行政書士事務所にコンタクトを取られたそうですが、この方の件では明瞭で信用できるアドバイスが返ってきた事務所はひとつもなかったそうで(まあ、前回法務局さえ、面接も済ませて法務省に送付してしまったくらいですから、確実な答えが返ってこなくて当然と言えば当然かもしれません)、遠い大阪の行政書士事務所に依頼されたのでした。
 交通費もかかり費用の負担も大変なのでこっちが心配しますが、お金を惜しんで再び不許可になるよりは確実な事務所に頼みたかったそうです。確実なんて、ないのですがねえ。

 ただ、実際に正式受任して、前の申請書の一部の控え等をひとつひとつ拝見していくと、当初考えていたの不許可事由だけでなく、それ以外の疑問点も沢山見えてきて、メインの理由だけから不許可になったのでもなく、さらには、施行規則違反の疑いもあるよね、となかなか”やりがい”のある案件でありました。
 確かに経験に乏しければ、本人申告の前回の瑕疵を真に受けて進めてしまったんじゃないかと思います。

 帰化申請のリカバリー申請は、不許可になった案件で隠れていた全てをさらけ出し、修正を加え、法務大臣(日本国民の代理人)に合理的に納得してもらうという、慎重で丁寧な作業が必要なのです。

 いずれにしても、再申請が許可になって良かった!
 リカバリーなのに(だから)、許可が早かったですしね!