褒賞は帰化申請に有利であるか?

 本日、黄綬褒章を受章された方の大阪での帰化申請案件おいて、帰化が許可となりました。

 申請支援センターでは勲章や褒賞など、日本国の国家的栄典を受けた方の帰化申請をご依頼いただくことがよくあります。
 他にも、なぜか本当に多いのは、医師、看護師、その他の医療関係者からのご依頼です。

 これら社会的地位のある方にとってみれば、帰化申請が不許可になることは非常に不名誉なことであり、行政書士会などで実績のある事務所をきちんと調査された上で、ご依頼になられるようです。おのずと、ご紹介案件も多いです。

 一方で生活に余裕のない方ほど、安さや、手軽さだけで、ざっとホームページを見ただけで事務所を選ばれるので、行政書士事務所を開業されてあまり時間が経っておられない事務所に依頼をされたりするようです。
 本当は、生活に余裕のない帰化申請案件こそ、実績ある行政書士に依頼すべきことなのですが・・・。

 こういった、褒賞を受けられた方であるとか、お医者さんの申請に共通するのは、やはり許可が早い、ということです。

 ここ1年ほどは、帰化申請が若干長期化しており、全く問題の無い申請でもほとんどの方が7か月は丸々掛かっている状況なのですが(特別永住者の方の場合の期間であり、人文知識国際業務や、技術、技能、日本人配偶者、永住者など特別永住者以外の方の申請においては、何か月で許可になるというような目安はありません。「特別永住者よりもちょっと長い」というような目安は全く無意味です。3年かかることもあります)、今日、許可になられた方もたった5か月で帰化が許可となりましたし、医師の方の申請も押し並べて短期間で帰化許可となっています。

 そういった意味で、褒賞や社会貢献は、帰化申請において確実に有利といって良いでしょう。

 ただし、帰化の許可が早いというのも、あくまで、「帰化が許可になるのであれば」ということです。

 いくら、勲章、褒賞などの栄典を受けていようとも、医師として医療分野に貢献する実績を残していたとしても、帰化条件を満たさなければ、不許可となります。
 素行条件のほんの小さなマイナスぐらいは褒賞によって帳消しになってしまうこともあるでしょうが、それにも限度があります。
 ちょっと限度を踏み外せば、褒賞も社会貢献も霞んでしまいます。

 そういった意味では、審査の上では、いくぶんは有利となることはあっても万全とまでは全く言えません。

 素行条件も、生計条件も、その他全ての帰化申請条件は、慎重に審査されますので、確実にクリアしていなければ、地位のあるかであろうがなかろうが、帰化が許可になることはないのです。

 また、申請書類の内容が、帰化条件を満たしていることを如実に証明できる内容となっていなければ、法務局も法務省も、帰化条件の審査に手間取り、「せっかく、早く帰化になる資格を持っているのに」、結局、一般の人と同じだったり、場合によっては、許可が遅れたりいたします。

 とくに、専門分野で功績を残すような方は、医師も含め、自分の仕事に夢中になっているあまり、法の順守や身の回りの整除がなおざりになっているケースも見受けますので、逆に注意をしたほうが良いのかもしれません。

 いずれにしても、こうやって堅実で地位のある方々から、値段やホームページの出来ではなく、「実績で」選んでいただける事を、申請支援センターでは誇りとし、ありがたく思っております。

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