自営業の方の帰化申請が記帳・帳簿等の保存制度拡大で厳しくなる

 帰化申請を予定されている自営業の方にとって注意しなければならない情報です。

 平成26年1月から記帳・帳簿等の保存制度の適用範囲が広がり、事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての方が対象となります。

 つまり、これまで自営業で青色申告をしていなくて、前々年または前年の不動産所得・事業所得または山林所得の金額の合計所得額が300万円以下だったために保存義務のなかった方も全て記帳・保存義務が生じます。
 また、所得税及び復興特別所得税の申告の必要がない方も、記帳・帳簿等の保存制度の対象となります。

 帰化申請条件が厳しくなるわけではないのですが、帰化申請の審査の上で、今後、厳しい流れとなることでしょう。
 というのも、帰化申請で法務局が経営状況に疑問を呈し、面接の際などに各種帳簿の提示を求められた場合、これまでは白色申告で所得額が300万円の方で帳簿がなければ期中の試算表などを作成して提出することで見逃してもらえるケースもありましたが、今後は「記帳・保存をしていないこと」自体が違法となりますから、提示できなければ素行条件を満たすことができなくなるからです。

 ただ、経営・税務に関する事は、素行条件のみならず、生計条件に関係してまいりますので、法人でなく自営業で所得額、つまり利益が300万円以下というのは、結構厳しいものがあり、今期の状況によっては簡単に「帰化申請の取り下げ」を言い渡される案件となりますから、これまでも、慎重に申請を進めないといけない案件であったのですけれども、今後はさらに厳しくなるということです。

 

帳簿・書類の保存期間

<帳簿>
収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)  7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年

<書類>
決算に関して作成した棚卸表その他の書類  5年
業務に関して作成し又は受領した請求書納品書送り状領収書などの書類  5年

 

参考:帰化申請の素行条件

帰化申請の生計条件

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」