建築確認を受けていない違法建築は帰化申請の際に大問題となります

 最近、今後の記憶に残るであろう帰化申請が許可になりました。
 もちろん、「記憶に残るであろう」と言うのは少し心配をした帰化申請だったからです。

 帰化申請では日本の法律を漏れなく守っている必要があります。
 これを帰化の素行条件と言います。

 前述の通り、「漏れなく」守っていると言うのが大事な部分で、税金や刑事事件、交通違反にとどまらず、生活の全てにおいて日本の法律を遵守している必要があります。

 「だいたい真面目にやってます」とか「この位はええやろ」とかいう人間性の人は素行条件で落とされる結果となる可能性が大いにあるのです。
 「だいたい」や「ええやろ」の申請者を説得し帰化条件を満たす申請者になっていただくのが僕の仕事です。
 忠告を聞いてもなれない人、なろうとしない人、忠告を聞かない人は、帰化申請が確実に不許可になりますから依頼は受けません。

 今回の案件は、忠告を聞く耳を持ち帰化条件を満たす人になることに最大限努力する方だったのでご依頼を受けました。
 このような性格の方なので、忠告も何もほとんどご指導申し上げる部分など無かったのですが、ひとつだけ様々な書類を付き合わせてみて数字が合わない事から建物のほんの一部分に確認申請が漏れている箇所が判明し最大の対処をしてもらいました。

 この方の場合は問題無かったのですが確認申請漏れは脱税とセットになっていることが多く、ほとんどの案件において帰化申請が前に進まなくなります。
 何よりも法務局の管轄する不動産登記懈怠がそのまま許されると考える方がおかしいことです。

 過去の経緯や事情、また周辺住民との協調などを総合的に判断して今回はセーフと考えましたが、実際に許可になってみるまでは一抹の不安を完全に拭い去ることはできませんでした。
 良かったことは本人自身の提案で参考資料も提出し全てを開示する姿勢を見せたことだと思います。
 違法な状況を少しでも解消する意志が帰化申請には必要なのです。
 それが、法務局に伝わったのかも知れません。

 ただ、ほとんど同様の案件でも、ほんの、ほーんの少し、条件に関する環境がが違っていただけなのですが、つい先日お越しになられた登記漏れ案件は、受任を見送りました。

 それだけ、建築確認も登記懈怠も、大事な事なのです。日本国にとって。