年金に関する帰化条件判断は非常に難しい

 平成24年からの帰化申請において審査が厳しくなった年金に関する審査ですが、これが非常に難しいので法務局職員さんもかなり本腰を入れて論理武装の為の勉強をされているようです。
 春の人事異動にともない来週4月15日に予定されている国籍業務担当法務局職員の勉強会などでも詳しくレクチャーされるのではないかと邪推しています。

 年金は帰化の素行条件の審査に「直結する」事項となってしまったために、法務省で帰化不許可となる前に、帰化申請者に取り下げをさせるか東京の法務省に送って良いものかを、慎重に判断せねばならないからです。

 ところが、年金被保険者としての該当性判断においても、年金事業所としての該当性判断においても、「その人の年金加入状況が違法でない」という判断のための要素が様々な状況によって変わってきます。

 例えば、年金被保険者本人の状況ひとつとっても、単純に金額だけで判断できず、週何時間働いているのか、例えば夫の給与がいくらであって、政府管掌保険なのか組合保険なのかによって、かわってきます。

 素人判断で簡単に130万円の壁だけでは推し測ることができないので、いい加減に判断していると、素行条件該当と踏んで東京に送った書類が法務大臣(法務省)に跳ねられてしまう可能性が増えてしまいます。

 また、国民年金の領収証が1年分揃っているからと安心していても、本来、厚生年金の加入義務が有るのであれば、国民年金の納付自体が無意味なものであり、特に事業経営者の場合には自分でも気付かない間に悪質な違法行為を犯してしまっていることがよくあります。

 ただ、帰化申請において、この年金関係や税金関係をはじめ全ての違法行為は「知りませんでした」で済むことは一切ありません。
 もちろん、その申請自体は不許可・取り下げとなりますし、素行に関係する不許可では大抵の場合、当分の間は再申請させてもらえなくなりますので、「帰化申請をして日本人になりたい」と願うようになった結婚や就職などの本当の目的を延期したり断念せざるを得なくなることもあるでしょう。

 私達行政書士も、法務局職員に負けないよう、真摯に業務に関係する修練を続けなければなりません。これは知識にとどまらず造詣を深めることが大切なのです。