帰化申請面接直前に瑕疵が見つかる!

 今、ちょっとした帰化申請の面接ラッシュです。
 ここ数日は連日夜に面接アドバイスを行っています。
 ASC申請支援センターでは、面接の直前に1,2時間かけて個別の面接対策をバッチリやりますから、連日となるとこれがなかなか大変です。

 今年の帰化申請の受付ラッシュは7月開け位まで続きましたので、その頃に帰化受付に至ったの案件が一斉に法務局からの面接の連絡を受けているからです。
 さらにオマケがあって、昨年9月以降の大阪法務局の審査は全国で例を見ないほど遅れており、4ヶ月から下手すれば5ヶ月ほど受付から時間が経っており、面接アドバイスラッシュの前に、「まだ面接の連絡が来ないのですが~」と多数の方からの心配の電話の波状攻撃がありました。一方で2ヶ月で面接を迎える人もいるのですが、全体的に今年は期間が長いです

 その面接アドバイスの中で1件、洒落にならない出来事がありました。

 申請支援センターの帰化申請のホームページの記事内でも申し上げている通り、申請支援センターの本当の面接対策は帰化申請が受け付けられる前に済ませております。面接の「直前」では遅すぎるのです。
 もし、帰化許可に影響のある事実が発見されれば受付までに修復をしなければなりません。初めて依頼者と顔を合わせた時から僕の中での面接対策は始まっています。普段エエ加減人間でテキトー体質のフニャフニャ怪人である僕が、依頼者と話をしている時に妥協を許さない怖い目をしているのも面接対策です。一番最初に会った時から本当の事を言ってくれと口酸っぱく申し上げて帰化に関わる瑕疵を炙り出して事前に対処しなければなりません。

 面接の直前に行うアドバイスの時間は、いわば帰化申請者ご本人に「落ち着いて面接を受けていただくための儀式」に過ぎないのです。

 ところが、今回の面接ラッシュの中のひとつの案件で、許可に関わる素行条件上の瑕疵が見つかりました。
 正確に申し上げると、その瑕疵の事は十分にお聞きしていたのですが、その程度に隠れていた部分が有りました。端的に言うと裁判案件となっていたのです。

 勿論、その瑕疵については僕が作成した申請書内でもちゃんと表現し、本人にも面接時に自己申告するよう話をしていましたが、裁判案件となっていれば、自ずと説明の仕方も工夫しないといけませんし、新しい手数も発生します。

 今回の事が隠れたまま進んでいれば不許可の可能性もあったところでした。
 隠さず話す事で不許可となる方もいるわけですが、この方の場合は僕のアドバイスに従って話す順序を間違えず正確に伝える事ができれば、幸いにも不許可にならずに済むことでしょうが、それでも帰化許可が長引く可能性が高いです。
 受付までに僕に申し出て下されば、ロスタイム無しに進めてあげられたのにと残念です。

 でも、まあリスクが最小となるよう今後のスケジュールを打ち合わせました。
 それ以外はもう全く何の問題も無い申請だったので、あまりに論点が無いものだから面接アドバイス40分ほどで終わりかけていたのですが最後に、実は、と話が始まって結局2時間近くとなり、その後に予定していた保護観察の来訪直前までお話していました。

 いずれにしても、面接直前ではありましたが正確な状況をお聞きできて本当に良かったです。
 僕の誇れる部分はお客さんからの聴取力に尽きるので、このような事件があると一層目が三角になりそうですが、相手によっては優しく聞き出してあげないと正確な情報が出てこない方もいらっしゃるので気を付けないといけません。
 北風とお天道様の二役をこなすのはなかなか大変ですね。