国籍に関する帰化条件を満たしていてほっとする

 昨日も帰化申請条件は「ひとつでも満たしていていない事があればアウト!」と書いたばかりですが、まさにその事で心配をしたという話です。

 昨年夏から動いている台湾籍の方の帰化申請があります。
 裁判も絡み、さらに超レアな事情もあって法務局の「協議案件」となり、長い時間を掛けてようやく目前に帰化受付が見えて来た矢先、本人から知らされていなかった「実は・・・」という囁きがありました。まあ、本人自身も今まで知らなかった事なので責める事は可哀想なのですけれどもねえ。

 台湾の方の帰化申請では国籍条件に注意しなければならないことは常識であり、最初にパスポートを見れば直ぐに確認できるのですが、本人の話では生まれてから一度も日本を出たことも、パスポートも作ったことがなく、台湾戸籍に就籍していないばかりか代表処弁事処の登録すらないと言うことだったので、まあ、台湾の方の場合は韓国の無籍者とは違って大変手間と時間が掛かるものの、まあシンドイだけの事は帰化申請では全く問題点とは言えませんから、気楽に行きましょーと励ましていました。

 で、そのシンドイ手続きを始めましょうとなった時に、実は今度親に聞いたら、母が私のパスポートを既に作っていたようなんです、とおっしゃる。
 一般の帰化申請ではそれくらいあまり気に掛けなくて良いのですが、この人の場合にはこれまでの非常に込み入った経緯があるもので、パスポートがあったり、あるいは万が一台湾戸籍が存在しているような事があれば、場合によっては、国籍条件の根本が崩れてしまい、これまでの苦労が水泡と帰すので、思わず叱責してしまいました。

 そして今日、弁事処近くの喫茶店で、あらためて本人のお母様とお会いし、パスポートの記載内容を確認した途端、僕は笑顔を禁じ得ませんでした。

 OK!これなら帰化申請が前に進みます!

 それを確認した僕は、何だかひと仕事終えたような気分になってしまいました。
 それほど気になっていたのです。昨日一日は、他の案件の翻訳をしていてもこの事がずっと頭から離れませんでした。

 でも、ほっとしていられるのは束の間。
 別の、身分関係ひとつで前に進まなくなりそうな韓国籍の方の案件の確認で神戸に移動しながら、あくせくブログ書いています。