うつ病と帰化申請

 鬱病(うつ病)は、真面目で几帳面な人が掛かりやすい病気です。

 かく言う僕もサラリーマン時代にうつ病で3ヶ月間入院させていただいた経験もあります。

 などと申し上げると何だか自分が几帳面で真面目な性格だと自賛しているようですが、その通りです(笑)。

 でも、正確に言うと僕の場合は、心の中にある「真面目にやらなくっちゃ。仕事を完璧に仕上げなくっちゃ。」という気持ちと、実際に身体が「真面目にできる限界」のギャップに苦しみ、それがたまっていって臨界点を超えた時に「俺はあかんのかなぁ」と激しい落ち込みに嵌ってしまったんじゃないかと、自己分析しています。
 要するに、それほど真面目な人ではないのに、心の中に「だけ」克己心を持っているのが悪いんだと思います。

 帰化申請をご依頼いただく方の中にも、うつ病の経歴を持たれる方を比較的よく見かけます。
 とくに韓国籍の方は、他人に相談しづらい悲しみをたくさん抱えていらっしゃいますから鬱になってしまう要因は一般の日本人よりも多いかもしれません。

 相談に来られる方の中には「うつ病は帰化申請に影響しますか?」と明確に質問される方もいれば、人生の履歴をお聞きしている中で仕事を辞めた経歴を話しづらそうにされて「実は、うつ病になってしまいまして・・・」と告白される方もいらっしゃいます。

 うつ病の病歴があること自体は、帰化に影響することはほとんどありません。
 現在、うつ病であること自体も、帰化申請に関係ありません。

 しかし、うつ病であることが原因となって、現在進行形でずっと仕事をしていなかったりして、生計条件や素行条件上、目に見える形となって、生活に深刻な影響を与えている場合は、帰化条件を満たさず帰化申請が受付けられないことはいくらでもあります。

 また、だらだらした生活を送っていたり、ギャンブルに明け暮れる生活を、単にうつ病のせいにしているだけの人も、世の中には居ます。

 僕自身も、うつ病の時は、うつ病なのか、だらだら病なのか、自分でもわからなかった時もあります。まあ、「自分がだらだら病かもしれない」と反省している人は、うつ病でしょう(笑)。
 本当のだらだら病の人は、①だらだら病であることを全く気にしていない、②だらだら病であると言って周囲をだましている事を完璧に自覚しているかの、どちらかだろうと思います。

 だらだら病は、うつ病より、難易度は確実にあがります。
 だらだら病の人の帰化申請を受任してしまった時は、許可になるまで、指導し続けないといけないので心労が嵩みます。

 私自身のうつ病は一生治ることがないと思いますが、少しは自分をコントロールできるようになってきたような気がします。

 実際、世界中全ての人は、多かれ少なかれ、うつ病を患っているのでしょう。
 そして、病気の自己管理を心掛けて、暮らして行くのです。