帰化者の身分証明書

 帰化申請に携わる行政書士は全て、この帰化者の身分証明書を交付してもらうために、帰化申請業務をしているのだと言って過言ではありません。
 そして、「ただ単に帰化者の身分証明書を交付してもらうだけ」の仕事をしているようでは、帰化申請の専門家とは言えません。
 
 「ただ単に帰化者の身分証明書を交付してもらうだけ」の仕事というのは、つまり、帰化申請の許可・不許可に一喜一憂しているだけの、帰化が通れば良いという帰化業務のことです。
 一般の人が自分でやってみる、いちかばちかの帰化申請でも、許可になることは少なくないでしょう。それと変わりません。
 帰化申請はやり直しがききませんから、帰化したことが無意味となったりマイナスとなったりするケースさえあります。

 しかし、帰化者の身分証明書が交付され、帰化届を提出し、日本の戸籍が作成されてからでは、失敗に気がついても遅いのです。

 帰化後の戸籍は、帰化者の身分証明書通りにしか作成されないからです。

 そして、帰化申請を専門としている行政書士は、依頼者と初めて出会った時から、「どのような戸籍を作らなければならないのか。」を考えながら、「帰化申請のための聴取」を行います。

 たまに、他の行政書士の先生からも依頼者が帰化許可になった後から帰化後の戸籍について相談を受けることがありますが、戸籍ができあがってからでは、ほとんどのケースでどうしようもなく、完璧なフォローをすることはできません。その方の依頼者であったご本人に有料相談に来ていただいて、直接、次善策をお教えするくらいです。

 帰化者の身分証明書が取り返しのつかない内容となってしまっている原因は、一番最初の聴取の際に「まったく何も考えずに、話を聴いている」からです。一般の素人の方は「まったく何も考えていらっしゃらない」のは仕方がないとして(失礼ですが実際にまったく何も考えていらっしゃいません)、やはり、少なくとも専門家は目的を持って聴取に臨む必要があります。
 帰化者の身分証明書の内容が依頼者の幸せな人生につながるように作成されるためには、それぞれのケース毎に設計図をひきながら聴取をする技術が要求されます。

 帰化申請は、計画も無しに、行うことができる申請ではありません。

 設計図無しに帰化申請を進めてしまうと、許可になっても仕方ない、とか、許可にならなかった方がよかった場合だってあるのです。

 

参考リンク:帰化許可・不許可(帰化者の身分証明書についても説明しています)

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」