帰化書類の取り寄せの際には歴史が頭に入っていないと大変

 帰化申請では様々な内外の書類を集めていく必要がありますが「歴史」を理解しているかどうかで業務が非常に煩雑になったり最悪書類が見つからないといった事態になることがあります。

 帰化書類の請求者が把握しておかないといけない「歴史」は2つのカテゴリに大別されます。

 ひとつは、世の中の歴史。
 時代時代の法令の変遷や制度変更の移り変わりに加えて市区町村の統合分割や住居表示実施など、国や地方自治体の動きが頭に入っていないと、なかなか目的の書類が見つからなかったり、手に入れることができなかったりします。

 もうひとつ重要なのが、その御家族自身の歴史です。
 各種届出をいつ何処に行ったかという事と過去の引っ越しの経緯に対して正確な記憶があれば比較的すんなりと行くことが多いのですが、本人が記憶に自信があるつもりでも全然記憶違いであったりしてなかなか一筋縄ではいかず、私達も苦労することが多いです。さらに、親に密航の経緯等があって在留特別許可をもらっていたり、届出懈怠があったり、外国人登録上で氏名訂正がなされていたりとバラエティー豊かな問題点が存在して検索に非常に時間が掛かったりせっかく見つかっても取得権限がないのでそのままじゃ交付してくれなかったりして目の前が真っ暗になることもあります。
 そこを何とかするのが我々行政書士の腕の見せどころではあるので、初回面談時に取得で揉めそうな予感がした時は心積もりをして役所に乗り込むのですが、たまに安心しきっていた案件で問題が発露した時はショックを覚えます。

 今日も、良く問題になる平野区の分区案件なのでちょっと面倒臭い事になるかなあ、と気合い入れてサービスカウンターに望みましたが、窓口で検索の段取りをちゃんと説明してその順番で探してくれたら、あっという間に見つかってちょっと肩透かしでした。
 めでたしめでたしでしたが、ひとつ間違うと面倒な状況になったかもしれないと思って、今日のブログネタを思い付いたのでした。