大阪市内に居住する外国人の方の帰化申請で提出する住民票のフォーマットが昨日平成27年1月5日より改訂されました。
息子さんの韓国への出生申告の為に、きのう申請支援センターを訪れて翻訳をご依頼になられた方からいただいた大阪市の住民票の書式を拝見して気付きました。
昨年末までの大阪市の住民票では「住民票という文言」が左上の枠内に書かれており、最上部中央には「住民基本台帳」と題名よろしく大書されていましたが、その部分に「住民票」と大きく書かれることになったので、一般の方にも住民票だとわかりやすい様式となりました。
まあ、それはいいのですが、「さて、いつから改訂されたんだろう?」と大阪市のホームページで確認して昨日から改訂された事を確認した際に、ウェブに記載されている情報に、帰化申請を進めていく上で、住民票書式の改廃にあたって非常に気になる情報が書かれていました。
さっそく、私の気になる幾つかの部分について大阪市市民局に問い合わせてみましたところ、帰化申請を長年続けてきた私にとっては結構衝撃的な事実が何か所か判明しました。
ノウハウに関する事なのでブログでははっきり書くことを避けますが、通称名や除かれた者などの扱いが世帯連記式住民票(連記世帯票)と個人票の位置付けと絡めて変更になったことをはじめ、遠近の引越しに関連した表記法も変わります。
帰化申請を多く扱っている中で様々な地方自治体の住民票を毎日のように請求し書式を比較してきたのですが、昨年までの、とりわけ平成24年7月9日以降の住民票については、大阪市の住民票書式は外国人住民についての書式が他の地方自治体の交付する住民票に比べて非常にすぐれており、大阪市民として私は「誇り」に感じていたほどです。
平成24年以降の住民票のフォーマットについての対応が遅れている地方自治体から、こちらが希望する、それはつまり帰化申請において法務大臣に疎明がしやすい書式の住民票が交付されないような際には、「大阪市を見習え!」とずっと言い続けてきたくらいです。
昨年末も通達である事務処理要綱になぜ従っていない九州の複数の自治体とのやりとりの中でも、「大阪市を見習え!」と胸を張って口から泡を飛ばしたところです。
しかしながら、今年正月明けからの大阪市新式住民票の扱いでは、なんと対応が立ち遅れていた他の自治体の住民票の扱い「以下」のルールになってしまったのです。
国籍法6条該当性に影響する部分もあります。なにせ、これまでの住民票が全て除票になってしまったのですから。
大阪市市民局の話では、とくに国からの通達があったり、マイナンバー法に対応するために住民基本台帳自体が変更されたりしたわけでもなく、独自に大阪市が「改正」を思い立ったそうです。「改正」と言いますが、私の目には「改悪」にしか映っていません。
住民票の様式が変更されるということは非常に大きなコストが動いています。
それが、とくに理由もなく、「改悪」されたのです。
おかしいじゃないですか。
新書式をじっくり見てみると、大阪の周辺の自治体のフォーマットに似ています。
昨年末までの大阪市の住民票のみが突出してすぐれた書式であった事を考え合わせて、邪推できることはひとつ。
大阪都構想の具体化の為の準備の一環ではないかと。
市が区になり替わるだけで二重行政が解消されるとは思わないし、各区議会が設けられることはコスト増につながるんじゃないかと考えるものの、大阪をなんとかせんとあかんという思いで大阪都構想を進めて行こうということ心意気自体には反対はありません。
しかしながら、何の意味も無く、急に住民票が改悪されたのは、ひとかたならぬ不満を感じています。
少なくとも、昨年までの住民票にどのような「問題点」があって、それをどのように「良くしたのか」ということは、大きな税金を掛けてシステム変更をしたからには、説明責任があるのではないですか、大阪市は。
様々な自治体の住民票を見慣れている身としても、今回の住民票に改良点は見当たらないし、そもそも、以前の住民票に問題点も無かったと存じます。
いずれにしても今日、即刻に大阪市の住民票改悪部分を法務局に伝え、今後の帰化申請の手続きについて、打ち合わせをいたしました。
来月4日に大阪府行政書士会の帰化申請実務研修にお越しになられた皆さんにはお伝えしたいなと考えています。
うーーん。研修時間が2時間しかないので、時間が作れるかなあ?
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追記:
大阪市市民局総務部総務課住民情報グループの説明に間違いがあったことが、後日判明しました。下記記事もご参照下さい。