広域交付の外国人住民票が帰化申請に使用できない理由

 平成「25」年7月より、外国人住民票の広域交付が始まることはすでにお話しました。
 その際、帰化申請には広域交付外国人住民票が使用できないということを書きましたので気になってらっしゃる方もおいでかと存じますので、帰化申請に使用できない理由を次に書いておきます。

 もともと帰化申請に添付しておりました外国人登録原票では、一般の記載事項証明書では記載されない様々な事項が「特記」された、いわば帰化申請専用の外国人登録原票記載事項証明書の交付請求を市区町村にしておりました。

 これまでの外国人登録原票記載事項証明書と同様に、(済証に記載可能だった全ての事項を網羅することはできないとはいえ)今後発行される外国人住民票にも、帰化申請に必要な詳細事項の記載が必要となります。

 ところが、この広域交付外国人住民票には、基本的な事項のみしか記載されることはなく、帰化申請に必要な全ての詳細事項が記載されません。
 このため、当該外国人住民票は、帰化申請には使用することはできないのです。

 結局、我々行政書士は、来年平成25年7月以降も、職務請求書により居住地に郵送請求をかけるというのが基本的な業務手順となるわけです。

 ただ、①職務請求ができること、②郵送請求ができるようになったことのふたつは、制度改正により、帰化申請の専門家である行政書士にとっては大きなメリットではあります。
 一方で、帰化申請に必要な事項が網羅されていないために、上記のふたつの大きなメリットを凌ぐ、つまり時間と手間のかかる大きすぎるデメリットが発生しましたので、実際にはプラスマイナスでは、専門家である私達でさえ、帰化申請が一層大変になったと嘆いております。

 いずれにしても、常に帰化申請の必要書類や審査基準の変更に対応していかなければならないと、気を引き締めている次第です。

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参考リンク:
帰化申請必要書類・添付書類

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」