帰化申請相談員さんの恩義に公務員魂を感じた

 帰化申請の素行条件上の非常に重要な部分を占めるのが納税義務です。

 税金に対しては特に厳しく些細な申告漏れも見逃してはくれません。
 日本国は税金によって維持されていると言って過言ではありませんから、日本人の立場からすると至極当たり前の事です。脱税者が帰化許可となり、納税意識の無い日本人が増えていったら、この国は衰退してしまうからです。

 税金についての審査は年金受給者だからといって法務局は容赦してくれません。
 厚生年金の受給者であっても年金の源泉徴収票や他の収入の内容をしっかりと見比べた上で、確定申告が必要な方であれば、申告をちゃんと済まして正確な税額を納付していないと日本人になることはできません。
 そのため平素より年金受給者の方にも源泉徴収票を提出していただいて、法務局に行く前に納税状況が「正しいのかどうか」弊事務所で確認いたします。

 先日、遺族年金をもらってらっしゃる方で、源泉徴収票が見当たらないとおっしゃる方がいらっしゃったので、本人から年金事務所に問い合わせてもらったところ、遺族年金については税金の対象外である旨を教えてもらったそうです。
 こういった場合には、帰化申請では少しテクニックが必要となるのですが、まあそれは置いておいて、一応は、本人に違法性が無い事が確認できたので胸を撫で下ろし、先日書類点検に行ってきました。

 様々な帰化申請書類をひとつひとつ確認していく中で、税務関係書類に差し掛かった時、案の定僕と同じように「遺族年金の源泉徴収票はどないなっとんねん!」という一幕がやって来ました。
 もうこちらは先回りしてますから「来た、来た♪」てな感じで、年金事務所とのやり取りを説明して「まあ、そこまで確認してくれていたらOK」と法務局の矛も収まりました。

 そして今日、別件の帰化申請受付の本番で、別の相談員さんのブースで受付前点検をしていましたら、件の相談員さんがわざわざ顔を出して下さって、親切に遺族年金において非課税である法的根拠を調べて頂き、コピーまで渡しに来てくれました。

 公務員の全ての行動は法律に基づいて行わねばなりません。
 「年金事務所がエエ言うてるから、エエやろ」では通らないのです。

 一般の年金と税の関係は僕も関係法令を自分で調べて、ここまではこう、ここからはこう、と線引きを明確に把握していたのですが、今度の遺族年金について裏付け調査を怠っていましたが、思わぬ法務局の親切で調査時間を短縮させていただきました。

 公務員魂に、拍手をいたしたい気持ちです。