帰化申請や認知による国籍の取得(三条届出)を行う際、15歳未満の者は法定代理人が代理で申請を行います。
しかし帰化申請などを行うべき法定代理人となり得る権限が誰にあるのかということは極力慎重に判断しなければなりません。
もちろん、法の適用に関する通則法(旧、法例)や大韓民国国際私法など相手国の渉外法規を初め、日本国民法や大韓民国民法など相手国の家族法、日本国戸籍法や家族関係の登録に関する法律など相手国のレジストリに関する法律などをしっかりと把握した上で、帰化申請などの代理権限者を見定めて申請スケジュールを組む必要があります。
やみくもに帰化申請書類を集めたところで、代理権限者が揃わない為に帰化申請が受け付けられないというようなことは、日常茶飯事にあるのです。
特に「3条届出」を、ASC申請支援センターにご依頼にお越しになられる方の中には、せっかく高い金で弁護士を雇い、長い時間を掛けて、裁判による認知を勝ち取ったのに、その弁護士が外国の家族法やレジストリ関係法に精通していなくて、請求事項が日本の民法上での認知の要件しか満たしていない内容であることもあります。
このような場合には、せっかく認知によって3条届出の要件を満たすことになったのに、認知した父の協力が得られないために届出ができなかったり、認知の効力自体が問題視される場合もでてきます。
3条届出で代理権限が問題になるのは、韓国籍の子供の認知事件である場合が多いです。
また、帰化申請で代理権限が問題となるのは、両親ともに中国籍の子供の離婚後の帰化申請事件である場合が比較的多かったのですが、平成17年3月31日の改正韓国民法後、韓国人同士の案件でも問題となる案件も出てまいりました。
いずれにしても、認知や離婚の裁判を「開始する」前から、そのあたりのことを踏まえておかなければならないのです。
最近、行政書士の方が当ブログを読みに来られることもあるとお聞きしていますが、あなたが開業したばかりの行政書士なら、誠に僭越なことですけれども、胸に手を当てて考えて下さい。
韓国民法も把握せずに韓国人の帰化申請業務をしていませんか?
中華人民共和国婚姻法や婚姻登記条例も読まずに中国人の帰化申請業務をしていませんか?
そんなやっつけ仕事の業務を続けていると、間違いなく数年で本当にどえらい事になりますよ。
参考リンク:帰化申請の条件要件
提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」