韓国の在外投票に参加したことは帰化申請に影響するか

 大韓民国の在外投票制度が本日始まったという記事を書いていて、ふと思ったのですが、韓国の在外投票に今日参加したことは今後あるいは場合によっては現在帰化申請中の方に影響するのでしょうか?

 現代社会においては、投票を行ったかどうかということも含めて、投票の秘密というのは、国(日本)の内外に関わらず守られるべきものかも知れません。
 また、日本への帰化申請を考えているとか、帰化申請中であるとかに関わらず、韓国人である限りは国籍を喪失するまでの間は、自分が唯一所属する国籍国の権利を行使することは、当然の権利であり、誰からも非難される行為ではありません。

 しかしながら一方で、日本人の立場からしましたら、帰化申請をしようとしている人、あるいは、既に日本の国に対し帰化申請を行っている人が、韓国の政治に参画しているということは、違和感、もっとはっきり言うと、怒りを感じる国民もいることでしょう。
 そんな中途半端な気持ちで日本人になってほしくない、と考える人も少なくない事と思います。これも日本人の国民感情として当然のことです。
 仲間となるなら、とことん仲間になりましょう、と。

 日本の国は、日本人の考え方の総意で動いているわけですから、上記のような日本人の心情は、国籍法上の帰化条件上にも表れています。決して恣意的な対応とならないように、立法趣旨の中にすでに盛り込まれているのです。

 在外投票が「直接的に」不許可要因となることはまずないと考えられますが、もし、何らかの問題とされ、実際に帰化許可に影響を与えるとすれば、国籍法第5条第1号の住所条件に付随する「定着性」に関してです。
 帰化申請と対峙している真っ最中に外国の政治に参加する姿勢について、日本の国民の一員として周囲の日本社会と同調し、仲良く今後を生きて行こうという心があるのかを訝る日本人が多いのに無視するわけには行きません。

 思想条件という俗称から第6号が問題となると間違えて考えられる方もいらっしゃると思いますが、第6号は日本の主権を脅かす行動をしたり、そういった団体に所属していないかぎりは、在外投票をした「のみ」では全く問題となることはありません。
 ただ、こちらも「直接的に」不許可要因となることはないだけで、在外投票の話がきっかけで、外国の団体と不必要に深いつながりがあり、先頭に立って外国団体の活動を行っている事実などが発覚した場合には、もちろん、第6号により不許可となります。

 ただ、そのような場合にも「在外投票に参加したから不許可としました」などと言われることは絶対ないでしょう。法務大臣は不許可にした理由を開示する義務を負いません。

 いずれにしても、ちょうどタイムリーな話題でありますので、ここ当分の間に面接を受けられる方には、抜き打ちで「在外投票は行かれたのですか?」といった世間話からその方の考え方や普段の行動を聞きだす良いアイテムになることはありうる話です。

 ただ、まちがっても、「現代社会においては、投票の秘密は守られるべきだ!」とか「韓国人が韓国人としての権利を行使して何が悪い!」などと、この記事の冒頭にあるような言葉をはいて、理屈で面接官と言い争うようなことのないようにして下さい。
 理屈で負けてでも、人生に勝つのが、賢い日本人です。

 

参考:在日韓国人の方の帰化申請

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」