法務局から電話で帰化申請の受付を断られかけた件

 今日は、とある法務局から1本の電話をいただきました。
 本日は法務局を糾弾する内容のブログです。

 糾弾しなければならない相手に「とある法務局」などと遠慮する必要は全くないのですが、その法務局で僕との窓口になってくださっている方が(国籍担当ではないみたい)真面目な人で、かつ、これまでの折衝の中で僕の話に逐一耳を傾ける姿勢のある方で、単なる帰化申請に対する知識・情報・習熟不足だけの話であるため特別に法務局名は伏せます。

 怠惰な人や、他人の話を傾聴する能力に欠けた公務員に出会うと、にこやかな仮面が剥がれ大魔人の形相になるのを押さえられない性格ですが、真面目な人には寛大です。

 電話の内容は「帰化申請者本人の過去の交通違反の状況を見たところ、数年は帰化受付できません」という断りの電話でした。

 一般には、法務局に事前相談で伺った際に次回受付が可能かどうか判断してくれるのですが、この法務局は普段ほとんど帰化申請を扱っていず、また、決定権者も出張で、全てのコピーを渡して「後日、受付可能か連絡する」という約束になっていたのです。

 ところが今日、電話を取ってみると「帰化申請の受付しません」という。
 訳を聞いてみると、上記の通り過去の交通違反を問題としていました。

 確かに、仮にひとつでも違反があれば「真面目な帰化申請者」等とは、口が避けても言えません。
 また、僕はただの行政書士で、許可になるかどうかを決める権限はありません。

 しかし、過去の膨大な帰化申請の経験から、特別永住者の帰化申請者の交通違反における許可不許可に関する判定基準についてかなりの高い精度で理解しております。また、特別永住者と特別永住者以外の申請者の基準の違いについても分かっているつもりです。

 今日の電話を聞いていると特別永住者以外の申請者の基準の話をしていることがうっすらわかったので、「釈迦に説法ですが」と前置きして、もう少し詳しく法務大臣が要求する基準をレクチャーしだしましたら、「あれ。ちょっと待てよ、これは一般申請者の場合で・・・」と考え出して、少しして「はいはい、その通りですね。了解しました。受付られそうです」となりました。

 まあ、この下りで帰化申請をたっぷりやっている行政書士ならピンと来るでしょう。
 ”電話の向こうで、青本読んどるな”と。
 念のため、もう一度検討して、後日、電話を入れますとのこと。

 まあ、その青本に書いてある通りの事を私が申し上げているので、許可基準に合致しないはずはないですから、この件は一件落着なのですが、もし、これが自分で申請しようとしていた人であったり、帰化申請の経験が少ない行政書士に任せていたら、えらいことだった訳です。

 帰化申請が、「現在でも閉鎖的な流れによって、いまだ気まぐれに審査されている」事の証左ですね。

追記:

 翌日、法務局から電話をいただき受け付けられる事が決まり予約も取れました。

 行政書士によって1件の案件を救ってあげれたわけですから、お役にたててよかったです。

 交通違反については複合する規準があり、そのうちのひとつを何らかの機会に法務局から耳にして理解したと勘違いしている行政書士も多いのですが、僕もその次の落とし穴も経験し、やっとまあこの辺かなと自信があったのですが、最初は一瞬、また次の新しい落とし穴が見つかったのかと、ホントは心配しました(笑)。