帰化申請では兵役が重要な問題となる

 大韓民国においては徴兵制度が存在し、ほとんどの韓国国民男性は25歳を過ぎてから37歳になるまでは兵役免除される事はありません。
 そして兵役義務を果たしていない間は、韓国国籍を離脱することができません。
 
 一方で、日本国は二重国籍、つまり複数国籍の保持を認めていない国ですから、元の国の国籍を失えないとすれば、日本への帰化申請においては非常に深刻な問題となります。

 日本で生まれ日本で育ち家族全員が特別永住者であるような家庭では、男性であっても兵役が免除されている事がほとんどですから(特別永住者でも免除とならない場合はあるようですが)、いわゆる在日と自称される方々の多くにとって、韓国国籍の喪失についてはほとんど問題になりません。

 しかしながら、ニューカマーと呼ばれる人生の途中で上陸されて日本で暮らして来られた外国人男性の場合は、まず国籍離脱や喪失ができるかどうかは大事な事です。
 特に兵役の免除については元の国で「兵役逃れ」に対する批判が盛り上がっている場合もあり、慎重な考察を要する問題です。

 兵役を終えていないニューカマーの韓国人でも、幾つかの条件を満たせば国籍喪失ができるので、希望を捨てずに申請支援センターに相談にこられれば個別対応しますが、既に兵役を済まされていれば、それにこした事はありません。

 本日も特別永住者以外の在留資格を持つ韓国人男性が見えられご予約の段階からまず国籍条件の事が気になっていました。
 帰化条件上、申し分無いような、真面目で明るく素晴らしい方で有りましたが、お越しになられた時から兵役を済まされているかどうか考えて、僕自身がそわそわしていました。

 他の条件をひととおりお聞きしてから、やっと徴兵関係に触れましたところ、ちゃんと兵役も済まされ予備役も終わっているそうなので、ほっと安心した次第です。

 ただ、実際には帰化条件を満たさない決定的な部分が幾つか有り、相談時点では100%帰化申請が受け付けられない事実が判明しましたが、申請支援センターの技術で修復可能な範囲にありました。
 私の忠告に従い、ひとつずつクリアしていけば、それほど心配ないことでしょう!

でも、今日が申請支援センターじゃなくて法務局だったら、確実に「受け付け出来ません」と、怒られていたところですよ。