法務局や地方法務局の近辺は帰化申請前に調査

 まあ、帰化申請事前「調査」というほどの大層な事でもないのですが、帰化申請を扱う法務局や地方法務局、支局の建物や近辺の状況も、帰化を専門とする行政書士であれば、把握しておいた方が何かと都合が良いです。

 本当に大事な秘訣の部分はブログでは公開しませんが(笑)、「玄関はひとつなのか」「依頼者と待ち合わせるロビーはあるか」「電車で行った方が良い法務局か駐車場の待ち時間は無いのか」その他、確認しておくべきことはたくさんあります。

 特別な調査をするわけではありません。
 書類点検で法務局の国籍課等を訪問する際に、注意深くアンテナを立てて「見る」だけです。

 これから帰化申請を志される行政書士の方は、今から担当する帰化申請の管轄法務局の周辺は1件1件の申請でしっかり「見て」行かれたら良いです。些細な知識も積み重ねれば全て財産になります。

 うまく「見る」コツは、お客さんが歩く時、ご一緒に申請に行く時、の事を具体的にイメージして刮目することです。
 これが意外と難しい。

 法務局を訪れる際には、依頼者の生活や身分関係等の問題点をどう言い訳しようか、反りの合わない相談員さんと喧嘩してしまわないだろうかと、そんな事で頭が一杯になって足取り重く、周辺を見る余裕も無いことは良くあることですが、杞憂に囚われていないで「道を見る」心の余裕を持つことも業者の心構えとして大切です。

 周辺を調査する習慣を僕は政治家の秘書時代に叩き込まれました。
 選挙の応援で新しい選挙事務所を訪れた際には事務所の回りを歩きます。
 沢山の人の出入りがある場所となるので、駐車場ひとつ取っても普段スタッフの車両を止めるだけのスペースがあっても、決起集会だの事務所開きだのということになれば充分な駐車場が確保できなければ周辺が大渋滞し、せっかくの決起集会はいいが渋滞で周りに迷惑をかけて票を失うということになりかねません。

 駅立ちなどの立ち会い演説の前にも周辺の店や家を軒並み、選挙演説の際の騒音のお詫びで回ります。
 名目は「ご近所お騒がせ致します」ですが、言葉を交わして選挙民の表情を見ればいろいろな事がわかります。ただし、この時に「⭕⭕を宜しく」と言う政治活動はしてはいけません、戸別訪問になるからです。

 何れにしても周辺情報を得ることで次の手を打つことができるのですが、情報集めのポイントは「この場所に選挙事務所を置くことで何が起こるか?」「この場所で選挙演説をすると周辺住民はどう思うだろうか?」という事を具体的にイメージしながら「見て」回ることです。
 「騒音うるさくてすいません」とひたすら謝って回るのが仕事ではありません。日本の一大事が選挙であるために、選挙期間中のみに限っては堂々と主張を演説できることが法律で認められているのですから、本来謝る必要すらないからです。

 行政書士業務での下見も、具体的な申請のイメージをもって行うと非常に有効なのです。