平成28年も8月となりました!熱い毎日いかがお過ごしですか?
極々個人的には8月明けからお盆までが年間で一番好きな季節なのですが、季節の挨拶とか、帰化申請が得意なだけのおっさん行政書士の、季節に関する個人的な嗜好を垂れ流しても、単なるスパムブログでしかありませんね(笑)。
うちの娘いわく、おっさんという存在自体がスパムやと。
お前がスパムになるのも時間の問題じゃ!
と、よう言い返せませんでしたが。
さて、昨日の記事にもちらりと書きましたけれども、今日は受任から長い年月かけてようやく帰化申請直前まで漕ぎ着けた案件の書類点検を済ませました。
裁判案件です。
帰化申請では、韓国人の特別永住者給与所得世帯案件では、何の問題もなければ普通に2週間程度で申請にこぎ着けられるのですが、少し事情が込み入っていると一気に時間がかかってしまう案件となります。
ホームページで「2週間で申請します」などと書いてあるものを見かけますが、普通に2週間程度で申請できてもそんなことは書きません。事情により伸びることも普通にあるからです。
2週間で申請できなかったらお金を返してもらわないけまへんなあ。
2週間くらいで申請することが多いですよ、というなら、「多いですよ」としか書いちゃダメだし、2週間で申請した経験があります、というなら「したことがあります、エッヘン」としか書いちゃダメです。
それを書いていいなら私は本国書類取寄せ翻訳も含めて3日で申請したことがあります、エッヘン。
もっとすごいのは1日に韓国戸籍翻訳の入力を120ページしたことがあります、エッヘン。
内容チェックと製本にもう1日かかりますから、現実に120ページを1日でお金を取れる商品にすることはできないですけれどね。
ただ、3日の申請も急いでいるご本人の環境が幸いにもあっさりしていたので可能だっただけで、素行や生計条件に指導が必要であればとても叶うものではありません。おまけに指導が必要な人ほどよく急ぐ。
また、翻訳でも原文が読みづらければ、歴史の流れを調査するところから始めて、1行どころかワンワードに2時間かかる事もざらにあります。
早く済ませられる案件よりも、むしろ時間がかかってもこういった難問を解決する事のほうが行政書士の腕の見せどころでもあります。
早くできるものは早く、難しいものは難しいなりに確実に、前に進めていく能力が要求されているのです。
性格上自慢しだすとキリがないのでやめますが、3日で帰化申請をするとか、1日で120ページ翻訳するとか、そんなしょうむない自慢よりも、今日の案件のような何年越しの帰化申請をがんばってやっていることの方がよっぽど行政書士としての実力を褒めていただける物差しになると存じます。
昨日のブログでは2年越しと書きましたが初めてお越しいただいた相談票の日付を見ると2年半越しでした(笑)。
なぜ、トロトロと時間がかかっているのに、実力がどうのこうのという話になるのかというと、まあそれだけ長い期間ご本人にモチベーションというかやる気を持ち続けていただくことは並大抵の事ではないからです。
実際、前に自分で申請したり他の行政書士に頼まれたけれど断念された後で、再び当方に申請を依頼される、いわゆるリカバリー申請の幾つかはモチベーション不足であきらめてしまわれた案件です。
今日の帰化案件も、裁判は裁判でも、よくある単純に父が二人居るので親子関係不存在確認の訴えをしてきてくださいという裁判ではなくもっとこみ入った、帰化をスムーズに進めるには何を勝ち取るべきか、と言うことから考えて始めないといけない案件で、じゃあ弁護士への依頼も済んで戦闘開始!とのろしを上げた途端、戦うべき大事なお父様が倒れられ体力的にも心情的にも裁判どころではなくなり、それから長い時間お父様の最期を見届けられ、ご逝去後、心を鬼にして裁判を再開し、正確な身分関係を勝ち取り、帰化の手続きを再開されました。
こう書いてみてはっきりわかりましたが、モチベーションも何も私の手柄は何にもありませんでした。ひとえに本人の意志の強さのみです。本当によく頑張られました。
ただ、準備を整えていましたから、再開後はあっという間の申請でした。
まだ書類点検を終えたばかりで、これから受付、面接と、乗り越えるべきハードルは残っていますが、今日の手応えにほっと一息がつけたのです。