知的障害者と帰化申請その2

 おとつい同じテーマで少し記事を書きました。

 知的障害をお持ちの方のご家庭の帰化申請は、その家族皆さんの将来の幸せのために日々必死に取り組まれているご努力と裏腹に、ご本人の障害の程度によっては非常に過酷なものとなると言う趣旨の記事です。

 なお、おとといの記事も今日の記事も「障碍」や「障がい」と言う表現をしていませんが、これは僕が「障害」と言う文字に何のマイナスな気持ちも持っていないので自分の言語感覚に忠実に表記させていただいているからです。
 ごめんなさい。僕は「障碍」や「障がい」と書く事が非常に空虚で辛いです。ただ、それらの標記を善意でなさっている方の優しい気持ちにも敬意を持っています。

 さて、重度の障害がある場合には、国籍法上の能力条件の問題だけでなく、帰化意思の確認ができないことが重要な影響を及ぼします。

 これは知的障害をお持ちの方だけでなく、例えば、意識不明の状態にある方などでも同じ事が言えます。
 要するに、ご家族が良かれと思って代わりに帰化申請を行って日本国籍を取得された結果、その後に意識が回復したところ自分が日本人になることを望んでいなかったのに日本人にならされていたと言うような事があってはならないからです。

 では、重度の知的障害をお持ちであったり、意識不明の状況にある場合には、全てのケースで諦めなければならないかというと、全てのケースでそうではありません。
 但し、期限があるので、帰化申請を検討されている方には迅速な判断が必要です。

 普段のこの帰化申請ブログでは、申請ノウハウや他の事務所の参考になるような有益情報は極力書かないようにしていますが、世の中で同様の障害等で悩んでらっしゃるご家庭の方が「昔に理解していたら何とかなったのに、今更どうしようもなくなってしまって」後悔される悲しい事案が世の中から少しでも減るように、この話題については特別に答えを書いておきます。

 それは15歳までに親が一緒に申請してあげれば、法定代理人全員によって代理申請できるという事です。
 能力条件の心配も消えます。

 種明かしをすればどうという事は無いのですが、相談に見えられた知的障害をお持ちのご家族を前にした瞬間に電光石火のように、その答えにたどり着けるかどうかが帰化申請専門の行政書士としての腕の違いとなります。
 ゆっくりと「国籍法何条に照らし合わせてどうで・・・」とか考えているようでは埒があきません。

 老婆心ながらもう少し噛み砕いて申し上げると、例えば、中学1年生のお子さんが知的障害をお持ちで、ご家族が「帰化申請できるでしょうか?」とお見えになられたとしたら、「じゃあ、急ぎましょう」とアドバイスして差し上げなければなりません。中三になったら15歳になってしまうからです。

 もし、これから帰化申請を自分の業務として始めようと考えられている行政書士さんがこの記事を読まれたのであれば、頭の隅に覚えておいていいただいて、是非、世の中の悩んでらっしゃるご家庭の方を助けてあげてください。
 
 また、お子様がまだ間に合う期間の外国人の方であれば、すぐに申請支援センターにお越しになられるのが良いでしょう。

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