ここのところ身分関係に齟齬がある帰化申請が続いている気がします

 帰化申請が受け付けられるかどうかを判断する際において、国籍法に定められた帰化条件以外にも重要なポイントが幾つかあります。

 その中で帰化条件と同じか更に重い比重で考えなければならないのが「身分関係の齟齬」です。

 ひとくちに「身分関係の齟齬」と申しましてもその内容は千差万別です。

 韓国戸籍(家族関係登録簿)上で母の名前が違っている、母の前婚の期間中に生まれた、他人が兄弟として戸籍に入っている、生年月日が違っている、男なのに女として登録されている等々、様々な状況の齟齬が存在し、さらに、その齟齬が起こった「理由」も多種多様です。

 身分関係の齟齬は、帰化申請において非常に深刻な事態に発展ことが多く、「韓国戸籍の父母欄に別の人が入っちゃってるんですわ」などと笑顔で相談されると、本人のご家族の問題認識のなさに目眩がすることがあります。

 このひと月に受任した帰化申請案件の中だけでも4件が重要な齟齬案件です。
 軽微な齟齬なら、ほとんどの申請で見付かるのですが重要な齟齬の案件が続くとなかなかのプレッシャーも感じます。

 僕の見立てでは4件とも裁判を免れそうですが、それぞれにへヴィーな事情があるので、法務局との折衝時のやりとりに細心の注意が必要です。先日の例もありますしね。

 入念に準備して、がんばりましょう。