来月出産される妊娠中の帰化申請者の方の許可が今日おりました!

 帰化申請で非常に気を使うのが申請されるご本人や配偶者が身重のケースです。
 つまり、申請の時点で妊娠されておられて、出産予定日までに何とか帰化したいという願いを持って来られる方の申請です。
 ASC申請支援センターが妊娠されている方の帰化申請を得意としていると聞かれて相談に見えられることが多いのです。

 「妊娠中の帰化申請を得意としている」などと、どなたがおっしゃって下さったのかありがたいことですが、実際に、得意としているわけではありません(笑)。
 申請支援センターが帰化申請の手続きに慣れており、さらに申請書類が整理されているので、申請までの期間も、また、申請から許可までの期間も最短となり、それがたまたま功を奏して、出産に間に合うことが多い、だけの話です。
 もちろん、間に合わない場合も多いです。

 帰化申請の時点で妊娠、というよりも、帰化相談の際に既に妊娠されていらっゃるわけですから、はっきり言って、普通に申請していたら帰化申請に間に合うことがない、と考えていただいた方が自然です。

 帰化申請は、「特別永住者の方で」、「給与所得だけの、単身または夫婦のみ程度の世帯」の申請で、他に何の問題もない場合に限ったとしても、一般に7、8ヶ月の申請期間が掛かります。

 妊娠していることに気付くのがだいたい2ヶ月程度経ってからであり、さらに、具体的に、結婚話とか、帰化申請の事とかで悩まれて、結局相談に来られた時点で、妊娠3か月というのが平均的なところです。

 それだけで、胎児がお腹の中で育つ期間10ヶ月を越えるか越えないか、という時間ですから、帰化申請の準備に掛かる期間を加えて考えると、帰化許可が間に合うと考える方がおかしいくらいです。
 自分で申請される場合には、申請までどんなに早くても2,3か月、普通に半年くらい費やされることが多いですので、出産に帰化許可が間に合う見込みは、全くの0%です。

 出産を控えた方の帰化申請については、申請支援センターでは短い期間で申請にたどり着くためのノウハウと、申請後、許可になるまでの期間を最短に抑えるためにはどうしたらよいかというノウハウをつぎこみ、さらに既に受任している一般の帰化申請に横入りして(苦笑)、新しく母となられる配偶者の居る家庭の帰化申請に取り組みます。

 そして、嬉しいことに今日、来月7/4日に出産予定日を迎える方の帰化が官報告知され許可となりました。
 今後の身分証の交付、帰化届に始まる一連の手続きを澄ましても、十分ご出産に間に合うことでしょう。
 今幾つか、同様の案件の許可待ちがある中で、どうしても間に合いそうにないが数パーセントの望みにかけている他の案件の「間に合わない時のための処理」を昨日したところだったので、年がら年中、同じような案件を扱っているものの、少し感慨深い気持ちになりました。

 私の方が、ほっ、と胸を撫で下ろして、ご本人に許可のご連絡を入れました。
 多くの帰化申請を扱っていても、帰化許可を行政書士側から依頼者に連絡するのが、仕事です。

 世の中の行政書士の中には、依頼者からの帰化許可の連絡を待っているような人もいるようですが、いったい何を考えているのでしょうね。