帰化申請受付直前はインフルエンザにお気を付け下さい

 来週木曜日に帰化申請の受付を予定していた方がインフルエンザに罹患され、昨日延期したい旨の電話がありました。
 医師からは完全に熱が引いてから2日間は他人と会っちゃ行けない、と言われたそうです。

 ご本人の居住地の帰化申請を管轄する法務局は予約が必要な支局だったので、総務課に電話を掛けて既に押さえていたスケジュールをキャンセルさせていただきました。

 17日(水)に既に発症していて25日(木)の受付なので、指折り考えれば今週中に回復するだろうしプラス2日を加算しても、来週木曜日の帰化申請受付予定日には隔離期間は十分経過しているであろう計算です。

 でも、そんな机上の算盤勘定だけで済まないのが人間の暮らしです。

 ご本人仰られるには「そんなに休んでばかりいられない」と。
 そりゃそうでしょう。会社勤めの帰化申請者でいらっしゃるので当日は会社を早退する予定でおいででした。さらにその翌日は別の病院の診察で休みを取っておられたのです。
 それに加えてのインフルエンザですから、肩身が狭いのもよくわかります。僕も若い頃サラリーマンでしたが、周囲が忙しそうにしている中で有給を取りたいと言い出すタイミングが掴めなくて、取らせてもらったことが無かったです。昔はそれが普通でしたね。世の中全てブラック企業で、当時の日本の好景気は僕らのサービス残業が下支えしていたのでしょう。

 法務局の帰化申請受付予約をキャンセルしたのは良いのですが、ご本人は来月の中旬に別件で休みを取らないといけない予定があるので、25をキャンセルしたからといって、次の週にはすぐに休みづらいとおっしゃるのです。
 普段は諸事情で予約をキャンセルせざるを得ない際は(自己申請される方は簡単にキャンセルなんてしないほうがいいですよ)、同時に次の予約を取ることが多いのですが、昨日時点では日程が決まりませんでした。

 それを聞いた私も、私から伝え聞いた法務局も、発した台詞は同じです。

 「せっかくの書類が取り直しにならないよう、気を付けないと!」

 帰化申請では、常に最新の内容を求められる書類も多く、帰化申請の受付が先延ばしになることで、書類を取り直したり訂正したりしなければなりません。

 慣れた行政書士に任せている場合には、「このくらいの遅れなら、これとこれ」と、手元の書類の内容を見ながら差し替える書類を判断したり、また無鉄砲にすぐに取り直すのでもなく、今後の流れを考えて取り直し自体のスケジュールを考えたりできるのですが、ご本人で申請している場合にはどれを差し替えたら良いのか見当が付かなくて当然なので、もういちど法務局に行ってダメ出しをもらい、さらに先になるという事の繰り返しで、また違う書類の期限が来てしまうという事があり得ます。
 ちなみに、何と何を取り換えたらよいというのは書類の内容を確認してみないと法務局もなんとも回答できないので、「何と何を取り直したらよいですか」と簡単に電話で聞けるようなものでもありません。

 さらに今回の申請については、時期が時期だけに、できれば法務局職員の異動がある4月までに受付を済ましたいところです。ここの法務局は相談員がいらっしゃいますが、逐一、職員も目を通してくれていますので「次回受付」というのは職員の号令でもあるのです。ですから、一度受付が決まった帰化申請案件は同じ担当官が居る間は幾分安心だからです。

 ご本人には十分にご自愛いただき、お体をさわやかに回復される事だけに専念していただくしかありませんので、今はご本人には直接心配されるような細かい事は言えませんが、回復されたら、少々無理してでも早めに受付に至れるようご指導申し上げたいと、他人知れずひとり気が急くイラチの私でありました。